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花森安治の仕事-デザインする手、編集長の眼-
こんにちは。プロジェクト推進チームの若林です。
先日、世田谷美術館で開催されている
「花森安治の仕事-デザインする手、編集長の眼-」を見てきました。
花森安治さんは、昨年のNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」のモデルとなった大橋鎭子さんと一緒に「暮しの手帖」を作った方です。
ドラマでは、唐沢寿明さんが演じていらっしゃいました。
編集者として取材、執筆だけでなく、デザイン、宣伝まで行ってきた活動をまとめた展示はとても見ごたえのあるものでした。
会場は、大学時代から暮しの手帖、戦争中の暮しの記録まで、時代ごとに全6章で構成されていました。
暮しの手帖のエリアでは、花森さん自身が描かれた表紙画や構成、当時の記事誌面などが展示されていたのですが、時代ごとに変化していく、花森さんの表紙画はどれもあたたかく、優しさに満ち溢れていて、素敵だなと思える作品ばかりでした。
「ランプの灯火のように日々の暮らしの指針でありたい」という彼の思いの象徴である、愛用のランプの絵がよく登場しているのも印象的でした。
記事にも、その思いが一貫して現れていました。
戦後、数多くの製品が生まれていた時代には商品テストを行い、人々に選ぶ視点を提供し、高度成長期の代償で環境問題が起こり始めた時代には、経済成長のその意味を問うていました。
戦争中の暮しの記録の展示にあった「そこは"戦場"ではなかった」という言葉に、彼の視点が集約されているようでとても胸に残っています。
そこに生きていた人にとって、その場所は、ある日突然戦場になったのではなく、毎日の生活の場だったんだという当たり前のことを実感しました。
シンプルな言葉ですが、ストンと腹に落ちる言葉でした。
自分が当事者ではないとき、どうしても第三者の視点で考えてしまいがちですが、
彼は、常にその時代に生きる人々の生活に目を向け、一人ひとりの視点に立って、
クリエイティブを行っていた方だったんだと思います。
私たちは様々な制作物を作っていますが、そのすべてがクライアントとエンドユーザーを繋ぐ役割を果たすモノです。
クライアントの想いをエンドユーザーに届けるために、一つ一つ真摯に取り組んでいかなくてはと再認識させられる展示でした。
展示は、4月9日(日)までのようです。
機会がありましたら、是非行ってみてください。
花森安治の仕事-デザインする手、編集長の眼-
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html