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MOA美術館
こんにちは。業務管理チームの小野田です。
先日、2月にリニューアルオープンした熱海のMOA美術館に行ってきました。
リニューアル記念の展示はコレクションから厳選された名品展。
尾形光琳の「紅白梅図屏風」のほか、鎌倉時代や南北朝時代の水墨画や、奈良~室町時代までの古筆が収められた手鑑「翰墨城」など、貴重な品が展示されていました。
私はリニューアル以前の美術館の姿は知らないのですが、新しくなったMOA美術館、とても素晴らしかったです。
設計を担当されたのは現代美術作家の杉本博司さん(新素材研究所)。
日本の伝統的な素材を用いつつ、展示される作品の美を最大限に生かす展示空間・・とのことで、漆喰の自動ドアをはじめとして、瓦の敷かれた床、床の間のように畳を用いた展示スペースなど、展示物と展示空間が調和した、見事な美術館でした。
驚かされたのが、見学者と作品を隔てるガラス!「低反射高透ガラス」を使用しているそうで、映り込みが全くありません。反対側にたてられた黒漆喰の壁のおかげで照明の映り込みもなく、まるで目の前に作品が展示されているかのような錯覚を覚えます。床の間の演出と相まって、展示を意識しない展示、ともいえそうです。
サイトに掲載されている特別インタビューで、杉本さんは、美術館の設計には、蒐集家でありながら建築もできる、というのが適しているのではないかとお話しされていました。
美術館の使命である「保存」だけによるのではなく、蒐集家の「美しく見せる」という視点も入れられた設計。そのうえで、文化庁の厳しい基準や、建築法の基準にも合致させていくというのは大変なことだったのではと思います。色々と調べてからいけば良かったな、と帰ってきてから少し後悔。
インタビューはこちら
http://www.moaart.or.jp/pickup/session/
これまで、作品は博物館や美術館という「箱」に合わせて展示されるのが当たり前に感じていた私にとって、MOA美術館での体験はとても印象的でした。
演出された展示空間の中にある作品を味わう。また、その展示空間の演出によって、対象そのものによりフォーカスできる。まさに作品の美を最大限に生かす展示空間だと感じました。
そんなに混雑していないので、自分のペースで見ることができるのも魅力的です。
東京から少し遠いですが、ご興味ある方は是非!
(見るのに夢中で撮影した写真はたった3枚・・すべて撮影OKだったのに・・)
Profile
業務管理 / onoda
猫とお城がすきです。旅先で招き猫のお店があるとつい立ち寄ってしまいます。
Favorite Item:会社にあった招き猫。いまは私のデスク前の棚に飾られています。