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違う世界線
こんにちは。プロジェクト推進チームの乕若です。
少し前のことになりますが夏季休暇中に東京歌謡曲ナイトというイベントに遊びに行ったお話について、書きます。
東京歌謡曲ナイトとは・・・
2006年から開催されている、J-POP・歌謡曲を中心とした”日本の音楽”のみで繰り広げるDJイベント。
2017年より新宿二丁目から川崎「CLUB CITTA’」に会場を移して開催されています。
東京歌謡曲ナイト.comクラブやパーティなぞと縁遠いところ(荒川区)で暮らしている自分ですが、ももクロ以降のアイドルソングやその周辺のカルチャーにかぶれるうちにひょんなことからこのイベントを知ることになり、参加するのは今回で3回目です。
尾崎紀世彦から米津玄師まで。歌謡曲からニューミュージック、そしてJ-POPへと変化してきた日本の大衆ポップスの懐の深さに、一晩で触れることができます。
本当に色々な日本語の音楽が聴けるので一面で語るのは難しいのですが、個人的にこのイベントならではの楽しみといえば、山下達郎/RIDE ON TIME、尾崎紀世彦/また逢う日までを聴きながら迎える朝。
クラブにまでわざわざ踊りに行って、なんでJ-POP?誰もが思うことだと思います。
個人の価値観やライフスタイル・趣味嗜好が多様化し、同じ価値観を共有できる人間同士でしか群れない島宇宙化なんていわれた時期も過ぎ、価値観の分断が社会問題化している時代。
違う価値観を持つ者同士が、境界を超えて交わる一歩を。「J-POPで踊る」事に意味や文脈を与え、最新のヒットソングから極めて局所的なムーブに渡るまで、様々な楽しみ方を提案してくれるDJ陣たちの魔法に触れていると、そんなことを思わず考えてしまいました。大げさでしょうか?
ヒットソングというものは、多くの人の共通認識(あのドラマの主題歌だね、とか)を持つ一方で極めて個人的な記憶にも直結するものでもあり、たとえば、自分は大ヒットしたTVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」を一切見たことがありませんが、星野源「恋」を聴くと、前職で働いていた当時の記憶が断片的に思い出されます。そんな主観的で超個人的な記憶をダンスフロアの空気とシンクロさせながら、J-POPという音楽のキャパシティに身を委ね酔いしれるのですね。
しかし委ねてばかりではいけません。
ただの観客のままでいては・・・
2019年のJ-POPを代表する曲と名高い、Official髭男dismのPretender。
UK感のあるギターのアルペジオが印象的なリフ。Bメロではヒゲダンお得意の鍵盤グルーヴ感が前に出てきてドキドキしていたら、いつの間にかサビに入って爆発する、圧倒的なメジャー感。ど真ん中の聴きやすさ。
そして何より歌詞の世界観を表現する歌唱が凄いです。Vo.藤原聡氏の実力をとことん味わい尽くすことのできる、飽きずにずっと聴いていられる、本当にすばらしい一曲だと感じました。