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メンクラ700号記念。自分も出てましたw

私の履歴書
May 22,2019

今って、みんな雑誌をまったく読まなくなったと聞きます。

それは漫画雑誌の発行部数を見ても明らかでしょう。

雑誌の中で、日本一売れていたのは少年ジャンプ。

1996年には653万部の発行部数を誇り、ギネスにも登録されていましたが、2016年には214万部まで低下。

ジャンプの次に売れている少年マガジンもしかりです。

これじゃ本屋も潰れちゃうわけですよね・・

創刊から65年。メンズクラブ最新号
ちょっと調べてみたら、漫画以外では20代前半向けの雑誌が著しく発行部数を落としてるんですね。
エビちゃんと押切もえが牽引した”CanCam”なんか、2006年に80万部あった部数が、2013年には11万部という驚愕の落ち込みよう。
“With”も”MORE”も2008年に50万部以上あった部数が、今は半分以下に落ち込んでいます。
これは間違いなく20代前半の人たちが雑誌ではなく、WebやSNSで情報取得を行うようになったことと関係があるでしょう。
またファストファッションの出現によって、手軽にコーディネートを取り入れられるようになったという背景もあると思います。

メンズ雑誌の方では、20代前半向けにターゲットを絞った雑誌は少ない印象。
以前は10代後半もターゲットに入っていた”ポパイ”も、今は読者を30歳以上に引き上げてきています。
部数が多い女性誌ほどデジタルの影響は受けていないと思いますが、それでも読者が減り続ける状況は深刻でしょうね。
そんな中、今書店には” MEN‘S CLUB”の700号記念の最新刊が並んでいます。
“MEN‘S CLUB”の創刊は1954年、なんと65年前ですよ。
現在の購読者は平均37歳。
2006年の発行部数は8万部、2017年では5万部と少しづつ部数は減っています。
昔はもっともっと売れていただろうなぁ。
僕が高校生くらいの時、” MEN‘S CLUB”は”ポパイ”と並んで、ファッションのバイブルとして、みんなこぞって読んでましたから。

高校生の時” MEN‘S CLUB”のことを、僕らはメンクラと呼んでいました。
今よりページ数が多く、サイズも一回り大きくて重かった。
メンクラといえば IVY。
アメリカを中心としたトラッドファッションを紹介する雑誌でした。(時々イギリス、それにDCブランドも紹介してましたけど)
メンクラとポパイ、発行している出版社は違うのに、兄弟誌みたいな関係で、読者も重複していたと思います
当時僕もその2冊は本屋で必ずチェックして、一生懸命読んで勉強したものです。
2誌の違いは、メンクラはポパイみたいにカルチャーまで扱う情報誌ではなく、ファションのみに特化したグラビア中心の編集だったように思います。
Hotdog Pressみたいなナンパな下ネタは一切排除した内容でしたw
1996年5月号の表紙です。
巻末には、「街のアイビーリーガース(通称街アイ)」という名物コーナーがあって、街行くお洒落な人を撮影したスナップを掲載する人気の特集でした。
メンクラと言えば「街アイ」っていうくらい面白いコーナーだった。
次に訪れる街の予告が誌面に掲載されるので、わざわざキメキメファッションで、その街に出向いて待ち構えていた人もいたみたいです。
今の読モみたいな、一種のステイタスですね。
それを高校生の僕も、憧れながら眺めていたものです。
このタイトルのせいで、会社リーダーと呼ばれることにw
そんな松本少年も大学を出て社会人になってからは、メンクラをあまり読まない年齢に差し掛かっていました。
当時働いていた場所は銀座。
ある日、昼休みにランチに出かけて銀座の街を歩いていたら、前から4人くらいの集団が突然走り寄ってきて急接近・・・・
え、えー、、、、宗教?ちょっと恐い。。。
そしたら彼らの一人が僕にメンクラ編集部です、と告げたのです。
え?
もしかして?
そう、「街アイ」の取材でした。
10代の時に憧れていた、あの「街アイ」。
90年に入り、既にIVYのブームは去っていたため、「街のアイビーリーガース」は、「街のファッションリーダース」というコーナー名に変わっておりました。
でもまったくキメていない、普段と同じ、働く普通の格好で、、こんなのでいいのか?
憧れの「街アイ」に出してくれるなら、どうせなら、もっとキメさせてくれ!
「撮影は別の日にしてもらえませんか?」なんて言えるわけもなく、撮影はあっという間に終わりました。
黒のコーデュロイのスーツにグラネロ履いてました。栗野さん鋭いです。
あまりに突然の出来事、そして普通の格好なので、編集部でボツになるかもしれないと思っておりました。
本はいつ出るのだろう。
後日、忘れた頃に書店に並んだメンクラを見て、またビックリ。
なんとトップバッターで、他の人より大きく掲載されているのです。。
コレ、大きさ違いすぎじゃねーか?
審査員は、当時まだBEAMSにいた栗野さんでした。
コメントのテキストは栗野さんによるものです。

嬉しかったですが、でもやっぱり格好が普通で、これでいいのか?という疑問もありました。
あれから20年。
メンクラ最新刊の700号を見て色々なことを思い出しました。
まだ頑張っているメンクラ、応援したいと思います。
出版不況を乗り越えて、これからも頑張ってください。
僕も頑張ります!

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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