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その人の人となりは、財布に表われる

ファッション
Oct 22,2020

財布を久しぶりに変えた。

財布を変えるのは、運を左右する気がして、新年などの節目に変えた方がいいのかなとも思ったが、それまで使っていたスマイソンの財布が壊れたので、仕方なく変更した。

会社の新しい期に合わせて財布を変えました
スマイソンの財布は気に入っていた。
スマイソンは1887年に英国で創業、100年以上の歴史を持つ王室御用達ブランドだ。
以前、ロンドンにある本店を訪れた際、レターセットに名前を入れるオーダーをしたことがある。
今では、手帳を買えばその場でイニシャルを入れてくれるサービスを国内で受けることも可能だが、当時は本国の店舗でしかこのサービスは受けられなかった。
レターセットへの名入れは、今でも本国でしかオーダーは受けていないはずだ。
現在も使っているスマイソンのペンケースとカード入れ
オーダーの際、封筒はスマイソンブルー、名前はブランドに使われているものと同じ欧文書体を指定した。
日本国内でスマイソンの輸入代理店は今のところ存在しない。
買い付けした企業ごとに自由に値段の設定ができるため、売られている金額も店ごとにバラバラだ。
自分が購入した店の販売員から、うちは百貨店と比較すると〇〇%安い、というセールストークを受けた。
それを真に受けて購入してしまったが、後日百貨店に行ってみると、同じ商品が自分で購入した金額より高く売られていた。
販売員が言っていたことは本当だったということになる。
乗せられて、財布と一緒に、同じレザーを使った名刺入れとペンケースも購入してしまったが、結果よい買物になった。

財布にもトレンドがあるらしい。
以前は長財布を持つことが流行し、それをテーマにした単行本も売れていた。
今は決済方法が多様化したせいか、それとも小銭を持たなくなったせいか、小型化しているように思う。
折り畳み式の財布の方が人気なのだろう。
以前、折り畳みの財布を使っていた頃は、自分が長財布を持つことについて、アンサンブルニットを着た丸の内OLのランチタイムみたいだなどと思っていたが、
長財布に変えてからは、その使いやすさを知った。
以降、長財布ばかりを使っている。
トラウザーズの尻のポケットに財布を入れっぱなしにしなくなったことが、理由として大きいかもしれない。
以前オーダーしたカミーユ・フィルネの財布
長財布へ変更のきっかけは、カミーユ・フォルネのオーダー会だった。
カミーユ・フォルネに折り畳み式の財布もあるとは思うが、このブランドの財布を買うなら長財布に限る。
カミーユ・フォルネは1945年にフランスで創業。
カルティエが販売する腕時計のベルトを製造していることでも知られている。
カミーユ・フォルネで、腕時計のベルト用に高級な皮素材を使ったオーダーも出来ると思うが、財布では、当時クロコダイルやリザードによるオーダーはできなかった(現在は可能)
外側は型押しのカーフを選び、会社のCIカラーのグレーを、内側はピンクを指定した。
こちらも気に入っていたが、使用して5年くらいで壊れてしまった。
日本製、吉田カバンが80周年記念に発売した財布
その次は、PORTERで知られる吉田カバンが80周年を記念して限定発売したモデル。
日本のブランドだが、ブリティッシュテイストのP.G.B (PORTER GENTLEMAN’S BAG)を選んだ。
こちらは折り畳みと長財布の両方を購入したが、今は息子が愛用している。
J&M DAVIDSONのおニューの財布
そして今回購入したのが、1976年創業の英国ブランドJ&M DAVIDSONの財布だ。
このブランドは、自分が10代の頃、憧れのブランドだった。
中でも、皮とキャンバス地の組み合わせで作られたトートバッグは素敵だった。
L.L.beanなどに代表されるアメリカ的なトラッドテイストではなく、ヨーロッパの貴族的な上品さを纏った、1ランク上の大人のバッグのように当時映ったものだ。
いつかは欲しいと思っていたが、そのバッグは以降見かけたことがない。
昨今、タコ型のバッグが女子の間で大ブレイクしたブランドでもある。
財布には、滑り止めを兼ねた印象的なスタッズがあしらわれており、スマイソンよりサイズが一回り小さい。
SCYEのポシェットにぴったりのサイズなので、セットで使ってます。
財布は服と違って、毎日携帯し、飽きっぽい性格でなければ使用する期間も長い。
使わない日はないくらい、1日のうち何度も触れるものである反面、他人から見られる機会は少ない。
ある程度親密な相手でなければ、その人の財布を見る機会は少ないのだ。
店での会計の際、その人の財布がチラッと見えた時、意外性を感じる場合がある。
良くも悪くもその人らしさがそこに滲み出ている。
財布はその人の、モノに対する考え方が表れる持ち物だと思う。

以前多くの女子が、大きなブランドロゴの入った財布を持っていたが、今もそのような財布を持つ人は多いのだろうか。
財布への考え方は、男女でも大きく異なる。
持つ人の何気ないセンスが感じ取れる、それが財布というアイテムではないだろうか。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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