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「談話室松本」の継続は力なり?

私の履歴書
Mar 19,2021

この「談話室松本」を始めてから、いったいどれくらい経ったのか?

覚えてないので調べてみたら、最初の記事をアップしたのは2010年の11月30日でした。

もう10年以上経つのですね・・・

第1回目の記事を読んでみたら、このコーナーのタイトルの元となった新宿の談話室滝沢の話。

スゴクよい店だったけれど、今知っている人は誰もいないでしょう。

残念です。

http://blog.10-1000.jp/cat35/000414.html

父が描いた作品には踏切の描写がやたらと出てきます。
さて10年間に渡っていろんなことを書いてきました。
特に個別テーマも目的もなく、その時々で感じたことをつらつらと脈略なく書いてきたのですが、気が付けはこの記事で876本目になります。
いやスゴイね・・・・
よくも書いたものです。
初期の頃は週に2,3本記事を書いてアップしていたんですよね。
仕事の営業につながるとか、そんな視点もまったくなく、ただただ自分が気になったものだけを書いてきた結果です。
父が1970年代に発表した短編を集めた「たばこ屋の娘」
自分が見本を見せるとスタッフに言った手前、彼らの手本となるよう自分にミッションを課してきました。
会社を知ってもらうことが目的なので、業務に関連することを書くべきだという視点もあるでしょう。
しかし、それだとみんな書けないだろうと判断し、スタッフには好きなことを自由に書いて欲しい、ただその代わり更新の間を空けないでくれと伝えています(それでもあまり守られないですが、、、、汗)
今まで自分も書くことがない時は数知れず、それでも無理くり捻り出して書いてきました。
土日も使って捻りだしてきたんですね。
いったい何の意味があるのか?
今まで費やしてきたこの時間は何なのか?

これがですね、見てくださっている方がいるのです。
本当に嬉しいことに、見てくれている人たちがいるのですよ。
今日はその中の1人、片岡義男さんからいただいたオファーの内容について書きますね。
片岡義男さんと言えば、「スローなブギにしてくれ」などで知られるベストセラー作家。
小説は映画化もされるなど、非常に著名な方なのですが、そのご本人がこの談話室松本を見てくださっていたことを知り、本当にビックらこきました。
片岡さんは、以前から父の作品群を熟読してくださっているそうで、その中から単行本「たばこ屋の娘」を自分の本に掲載したいという連絡をいただきました。
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93%E5%B1%8B%E3%81%AE%E5%A8%98-%E6%9D%BE%E6%9C%AC-%E6%AD%A3%E5%BD%A6/dp/4883793001
超一流のメジャー作家が、売れない漫画家の本を熟読してくださっていることにもオドロキですが、さらなる驚きはこの先にも続くのでした。
片岡義男さんの「珈琲が呼ぶ」と父の「たばこ屋の娘」
「珈琲が呼ぶ」の中で紹介されている踏切のシーン
父の作品が紹介されているのは、片岡さんの作品「珈琲が呼ぶ」です。
その中で父の作品は、新宿区の中落合を舞台に描かれているとコメントされているのですが、そんなことは誰も知らないはず。
確かに、当時家族が住んでいたのは中落合で、父の作品にはこの中落合の情景が度々登場するのですが、作品の舞台についてはどこにも書いていない。
なのに、片岡さんはこの場所は中落合だとズバリ言い当てていることに、本当に驚きました。
どうして片岡さんは、そんなことを知っているのだろう?
その疑問をブログに書いたら、その記事も見てくださり(!)、後日その疑問にも答えてくださいました。
これにも、マジでびっくり。。
https://www.amazon.co.jp/%E7%8F%88%E7%90%B2%E3%81%8C%E5%91%BC%E3%81%B6-%E7%89%87%E5%B2%A1%E7%BE%A9%E7%94%B7/dp/4334979769
1970年代の中井駅前の写真とタバコ屋の娘に出てくる踏切

「中井だよ。中井しかないんだ。つんちゃんは女の子と新宿で会っただろ?
 (劇中に出てくる主人公の名前)
 そして、彼女のアパートへと移動するには路線は限られている。
 西武新宿線は第1候補さ。となると、あの踏切は中井しかないよ。」

「僕は中井に住んだことはないけれど、中井駅の付近にああいう踏切、
 まさにあの踏切があったことを覚えているよ。」

自分が小学校の時に住んでいた家の近所
スゴイ。
そんな推理で当たるものなのかなぁ。
とはいえ、それが当たっているかどうかを知る人は、僕と母親(ほぼ自分のみ)しかいないので、情報が正しいかどうかの指摘など誰もするはずもないのですが、自信を持ってはっきり中落合だと明言してることには、オドロキしかありません。
スゴイの一言です。
探偵か?と思うほどの驚異的な分析力と記憶力。
父親と僕の大切な淡い思い出を、なぜ親戚でもない他の人が、それも著名な小説家が知っているのか、マジで驚きしかありません。
中落合に今でもこんな風景あるのかなぁ
それだけでなく、「珈琲が呼ぶ」が出版されたあと、それについて書いた僕の記事を読んだご本人から、その記事も掲載したいというオファーもいただき、ただただ恐れ多いというか、恐縮するばかりです。
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2018/03/post-35.html

「これは是非とも転載させていただきたいなぁ。
この文章は感銘深いよ。是非にとお願いしてください。」


これが「談話室松本」を読まれたご本人の言葉です。
いや、まさかご本人が見ているなんて思っておらず、、、まったくお恥ずかしい限りです。
そんなわけで、ワタクシのつたない文章も片岡義男さんのWeb版の作品に掲載されております。
皆さんも、もし時間があったら読んでみてください。
https://kataokayoshio.com/contents/5269
Web版の目次。2番がワタクシの記事でございます。。
こんなこともあるんだなぁと、ちょっと嬉しくなりました。
誰かに影響を与えたいとか、何かに取り上げられたい、などという想いは、まったくありませんが、こうして10年も続けていると、見てくださっている方もいるのだなぁと感慨深いものがあります。
「談話室松本」は、最近は業務の内容を紹介する記事も多くなっていますが、日々の移ろいゆく感性を書いた内容です。
ただ皆さんの日々の生活や仕事の中で、ちょっとでも気づきがあればよいなぁと思って書いています。
読んでこう思いました、こう感じました、そんな反応でも嬉しいものです。
励ましのお便り、待ってます!

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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