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80年代、オメガトライブと江口寿史

クリエーター
Jul 08,2021

前回この談話室で80年代シティポップの話をしました。

サブスクを背景に、今世界を席巻する日本のシティポップ。

Spotify のグローバルチャートで世界1位に輝く「真夜中のドア」聞いてますか?

「プラスチックラブ」流して仕事してますか?

この絵柄、知ってる人は知ってますよね?
杉山清貴が脱退した穴を埋めるために、後任として日本語も怪しいブラジル日系人カルロストシキが参加した時、テレビを見ていた全員がもうオメガトライブは終わったと感じたはず。
ビジュアル度が落ちたことと、バンドを継続させようと無理やり別の人を入れた感がそう思わせたのでした。
サングラスをかけてイケメンだった杉山清貴と比較すれば、イケメンではない、カタコトの日本語しか話せない、しかもシャイなカルロストシキの落差は激しく、それはDavid Lee Rothが抜けたあとのヴァン・ヘイレンと同じで、寂しさのみが漂っていました。
ところが、ところがですよ!
カルロストシキにボーカルが変わり、誰もが終わったと思ったオメガトライブは、しばらくして最大のヒット曲となる「君は1000%」を叩き出すのでした。
「キミはシェンパーシェーン」と歌うカルロストシキの姿は、杉山清貴がいた時の軽くて、大学サークルでポロシャツの襟を立てている人たちの集まりのような、それまでのスカしたオメガトライブとは異なる、真面目でひたむきな別の魅力で輝き出したのでした。
David Lee Rothが抜けたあとのヴァン・ヘイレンではなかった!
あれから30年、オメガトライブは、サカナクションのPVの元ネタとして今リバイバルしています。
サカナクションが引用しているのは、サングラスをかけた杉山清貴の頃のオメガトライブですけどね。
これも80年代リバイバルに間違いはありません。

また前置きが長くなりました。
前回は80年代シティポップとイラスト表現について考察しました。
それはシティポップのジャケットに、多くのイラストレーターが起用されたことに着目したためです。
永井博、鈴木英人、ペーター佐藤を筆頭に、原田オサム、わたせせいぞうなどなど、今彼らのイラストもシティポップと同様に、今リバイバルしています。
そこには車、海、夏、サングラス、プール、ホテル、西海岸など、共通したモチーフがあります。
それは今のサーフィンブームの再来ともリンクしており、どこまでもポップで、極めて表層的な表現がインスタなどに見られる非日常な世界観と共鳴しているともいえるのではないでしょうか。
そんなシティポップとイラストの関係を探っていく中で、やはり忘れてはならない作家がいます。
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2021/04/post-108.html

センター上のカバーの限定エディションです。
自宅にあるストラトキャスターと共演です。
300枚限定のナンバリング
ご本人のサイン入り
江口寿史。
代表作「ストップ!ひばりくん」のスタートが1981年。
前述の「君は1000%」のヒットはその5年後です。
当時のシティボーイたちは「キミはシェンパーシェーン」と歌いながら「ストップ!ひばりくん」を読んでいたかもしれません。
※自分は当時スカしたシティボーイには属してなかったんで、、それはしませんでしたけど。
しかし、「ストップ!ひばりくん」を読んだことがある人なら知っていることですが、ひばりくんはその名の通り、可愛い女子に見えて男性です。
男女雇用均等法が施行された後でも、男尊女卑が普通だった80年代にあって、LGBTの先駆ともいえるこうした漫画が、世間の大きな支持を得たというのはちょっと驚きです。
ひばりくんで一番有名で人気のある絵です。
こっちの絵は自宅の玄関に飾っています。
最近、毎日のように
「真夜中のドア」松原みき
「プラスチックラブ」竹内まりや
「Windy Lady」山下達郎
「埠頭を渡る風」ユーミン
「都会」大貫妙子
「君は1000%」オメガトライブ
80年代のシティポップを聞いていたら、
同じタイミングで、漫画出版関連の知り合いの方が江口寿史のオリジナル版画を製造販売していることを知り、シティポップ熱が高まっていたあまり、限定300部の版画を買ってしまいました。。
「ストップ!ひばりくん」の絵柄です。
ご本人のサイン入り。
同じようにご本人のサイン入り
江口寿史は、これまた最近この談話室松本で取り上げた吉祥寺の風景もたくさん描いていますが、特に有名なのが美人画です。
描かれる女の子がみんな可愛い!
そしてご本人の奥さんもアイドルで、可愛い女の子が大好きなんでしょうね。
漫画を描かなくなって、イラストレーターに転向した後、描く女の子のクオリティも上がりましたが、やはり漫画家としての出発点「ストップ!ひばりくん」は外せない。
その絵柄を2枚も買ってしまいました。。。

家ではこの絵を見ながら、大きな声で「キミはシェンパーシェーン」と歌っていますww

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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