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17回目の自由研究

私の履歴書
Sep 26,2023

今年もまたまたこの時期が来てしまいました。

いったい何度目なんだと、この談話室を読んでいただいている方ならきっと思うことでしょう。

そう、実はもう同じ小学校に17年通っております。笑

今までPTAの役員を3年務め、Tシャツやバッグ、タオルもデザインし、多々貢献してきましたが、まだいるという、、、、汗

アートのようなタイポグラフィとイラストは良いね。
さぁ、今年の自由研究です。
今回で17回目の自由研究 笑
ここにも書いてきましたが、徹夜をしたり、喧嘩をしたり、色々なことを乗り越えてきました。
一生懸命サポートしてきた理由。
色々やってきたのは、僕が父親からしてもらったことを、そのまま彼らにも体験させてあげたい。
それに尽きます。

僕は毎年の夏休み、低学年では母親の田舎で採ってきた植物の押し花の研究に始まり、電池で箱の上を走る猫とネズミ、高学年になったら家の模型、色々なものを試行錯誤して作って来た。
サポートしてくれたのは父でした。
困ると、彼から色々なアイデアをもらって実践した。
その中でだんだん、夏休みの工作ではみんなの度肝を抜いてやろう、同じクラスのクラスメイトには誰にも負けないぞ、そんなことを思うようになりました。
昭和の小学生の多くが、空(カラ)のヤクルトの瓶を複数接着して船を作ったり、学校から家までのルートの地図を大きな紙に描き、通学路にある店を説明したり、そんなレベルの提出物でした。
相手の戦略は夏休み明けの登校日当日にわかるのです。
やりたいことのアイデアと計画、そして実装、与えられた時間は同じ。
他の人のアイデアはもちろん、作るプロセスも見ることはできない。
一人で考え、コツコツ作り、最後にはみんなと一斉に比較される。
今の仕事のコンペと非常に似ている。
コンペに対する耐性は、もしかすると小学校の自由研究(当時は夏休みの工作と呼ばれていました)で身に付いたのかもしれない。
いま思えばそう思います。

手の内を見せず、出たとこ勝負でアイデアと技術を競う。
自分はこれが好きでした。
勉強は好きではなかったけど、勉強と決定的に違うのは、答えが1つではないということ。
それが好きだった。
負けたくないと思う気持ちもあったけど、よい作品を作った相手のアイデアを見て「なるほど!」と思うのが、とても刺激的でした。
特に優等生たちの作品を見るのが好きだった。
見えない相手と競うって面白い。
駄菓子屋は大好きで毎月行っておばぁちゃんとも仲良くなってます。
いつものように、前置きがが長くなりましたが、今年の自由研究です。
リンタロはとっくに、作らなくなったので、今回はサクジロの研究。
でも自分も年を取りました。
リンタロの時のように、朝日を見るまで一緒に作り、そこからオフィスに出勤なんてことはもうさすがに、、、、
42商品を床に並べてみました。
毎年テーマは本人たちが決めます。
去年のサクジロのテーマは、沖縄の美ら海水族館で見た大水槽でした。
こちら1年前の4年生
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2022/09/post-131.html

こちら3年生の時
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2021/09/post-116.html

いつも家族で夏休みに行った旅行先の出来事をテーマにすることが多いのですが、今年の旅行は伊豆下田でそんなに刺激的なことがなかったからなのか、彼が選んだのは「駄菓子」でした。
そういえば、2人で自転車に乗ってよく買いに行く駄菓子。
代々木上原の駄菓子屋は消え、参宮橋にあった大きな駄菓子屋も去年なくなりました。
歩いていけない幡ヶ谷と本町、離れたところにしか駄菓子を買える店はありません。
消えゆく駄菓子屋。
紙粘土が乾いたら色塗り
ほぼ出来上がり
特に2人でよく行った参宮橋の駄菓子屋がなくなったのは痛かった。
そんなことも研究の背景にはあるのでしょう。
でも一番のお気に入りの幡ヶ谷の「ひまわり」はまだ健在で、最近ジャニーズが訪れてyou tubeの「ジャにのチャンネル」で公開したことで、女子が大量に来るようになりました。
これはいいことです。
でも二宮くんが買ったスーパーボールだけがいつもすぐ売り切れ に。
今回は幡ヶ谷と本町の2店舗で、研究のため42商品の駄菓子を買ってきました。
ココアシガレットも有名ですね
駄菓子屋が世の中から消えそう、それはwebで検索しても出て来ます。
販売店の減少とコロナ禍で、商品もどんどん少なくなっているようです。
そんな中で、駄菓子の歴史と今を調査するのがテーマ。
サクジロの調査によれば、もともと始まりは江戸時代で、白砂糖で作られた高級なお菓子が上菓子、黒砂糖で作られた安価なお菓子が駄菓子という由来があるらしいです。

42商品の分析では、駄菓子が作られている場所で一番多いのが茨木で14商品、次に愛知の8商品
含まれている原料では、一番多いのが香料で29商品に入っている、次に砂糖が26商品
パッケージに使われている色では、1位が茶色で7商品、次が水色で6商品
価格は40円が一位で10商品、2位が30円で9商品
これらを「だがし調査」というパネルにまとめました。
42商品の駄菓子を5つの軸で調査しました。
次に「だがしの歴史」調査
買った42商品の中で古い順に商品を並べてイラストで紹介。
一番古いのは、クッピーラムネで、発売開始は1950年。
次にヨーグル 1961年
マルカワのフィリックスガムが1971年
餅太郎(1976)やよっちゃんイカ(1977)と続きます。
ここまでが現状の駄菓子の調査レポートです。
今回はほとんど手伝う必要がなくてよかった。
最後に、自分が好きな駄菓子を紙粘土を使って同じサイズで作る。
ココアシガレット、ボトルサワー、マルカワのオレンジフーセンガム、このあたりは定番なので、みんな知ってますよね。
自分は見ていて、ここが一番面白かった。
これがあるとないとじゃ作品のクオリティがまるで違います。
情報を調べたあとは、クリエイティブで見せる。
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1.できるだけ多くの対象(商品)を集める
2.分析軸を決めて調査し、その情報をノートにすべて書き出す
3.ノートに書き出した情報をまとめる(生産地、歴史、原料、色、価格など)
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ここまでで一区切り
工場見学に行こうと思って調べたんですが、ほとんどの工場が遠くてそれは諦めました。
そして最後にクリエイティブ
このクリエイティブは松本家ならではです。
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4.タイトル文字を切り抜いてパネルに貼る
5.駄菓子のパッケージの絵を描いて切り抜く
6.情報や歴史を知ったうえで、最後に自分の好きな駄菓子を作ってみる
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駄菓子の歴史はイラスト付きです。
調査して得たバラバラな情報を、ある視点でまとめる技術、この辺りは大人になっても絶対に必要なスキルだと思います。
すべて調査した上でグループに分けるのではなく、調査前に調べる軸を決める。
この「ある視点」の軸を何にするか?を決めるのがもっとも重要ですが、そこはアドバイスしてあげました。
今回で言えば、生産地、歴史、原料、色、価格です。
「ある視点」を調査前に決めて、それに沿って調べて最後にまとめる行為は、デザイン思考であり、コンペにも必須なスキルです。
視点をアドバイスするのはよかったのですが、それに沿って42商品調査するのが、ちょっと大変で、、、
この調査が深ければ深いほど、リアリティが出るので、大切なフェーズなんですが、小学生のサクジロには苦痛でしかない 笑
こんなことやって何になるのかわからない、やりたくないと。
最後にパネルにまとめた時に、はじめて苦痛のプロセスがゴールに結びつくことに気が付いたはずですが、果たして学んでくれたかなーww
駄菓子のリアルサイズの制作が一番楽しそうでした。
調査フェーズで行った情報のまとめを、最後の制作に反映させ方がいいと考え、調査から導き出した結果に基づいて、2023年に自分が駄菓子を作るならどんなもの?というゴールにしたら?と言ったけど、そこまでは行けず、、、
お気に入りの駄菓子を作品化ということになりました。
サクジロが好きなのはヨーグルとのことです。

今年はほとんど手伝わなかったんでラクだった。
ライトなテーマだったというのが大きいと思います。
良かった!
来年は最後の自由研究、自分でサクサクやって欲しい。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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