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ロンドンからやって来た「おかあ山」の展示

クリエーター
Jun 26,2024

前回の談話室では、自分の周りにいる友人には海外に移住する女子がたくさんいるという話を書きました。

理由はわかりませんが、なぜか決まって自分はそういう人と仲良くなる。

チャレンジャーだから?好奇心旺盛な人と響き合う?日本じゃアウトサイダーだから?

きっと理由があると思うんだけど、とにかく多い。

こちらは油絵で描かれた「おかあ山 MAMA Mountain」
今の時代だったら、そりゃそうだろと言う人もいるかもしれないけど、80年代に社会人になってから海外へ留学する人はそれほど多くなかった。
ワーホリも一般的ではなかった時代だし、行った国に永住する人はさらに少ない。
90年代からワーホリが少しずつ一般化するけれども、友人たちはワーホリという選択は決してしない。
退路を断って海外に行く 笑
自分が仲良くしていた大学時代の女子4人のうち、3人が海外に永住するとはね。
男子にも海外に行った友人はもちろんいて、彼らとも仲良くなるけれど、その多くは2,3年で帰国する。
1つの道を歩く男子と違って、女子の方が自分にドライブをかけるんだろうね、きっと。
そのほぼ全員がクリエーターの感性を持っている。
今回もそんな中の一人を紹介します。
3Dプリンターによる立体作品「おかあ山」
秋山貴世ことタカヨンは、自分と同じ美術大学を卒業した後、ロンドンのセントマーチンズへ留学。
セントマーチンズを卒業後、現地でイラストレーターとして活躍しています。
イギリスに行く前は、うちの会社でも働いていた。
東京に来る時には、だいたいうちの家に泊まるのだけど、今回の来日は3名様。
イギリスで結婚したWebデザイナーのトムちゃんと娘のハナヨン、ファミリーでの来日でした。
可愛い3歳のハナヨンに会うのはこれで2度目。
ファミリーで来日した今回の目的は、東京で開かれる個展のため。
リソグラフで作られた「おかあ山 」のZIN
描かれているのは2001年当時の部屋の様子
“おかあ山(さん) MAMA MOUNTAIN”by Takayo Akiyama
この展示が今、浜町のT-HOUSE New Balanceで開かれているので是非行ってみてください。
会期は7/23まで、無料です!
今回の展示は、おかあ山(さん)がテーマ。
そう、ハナヨンが生まれてお母さんとなったタカヨン自身がテーマの展示です。
もともと、このNew BalanceのコンセプトストアであるT-HOUSEのキャラクターデザインは彼女が手掛けたもの。
自分が母になった体験をマンガのストーリーとして描き、それをZINにして出版。(その中に、T-HOUSEのキャラクターも登場)
マンガを起点に、“おかあ山(さん)”のキャラクターを油絵、立体作品、そしてデジタルARに。
マンガのストーリーに登場するキャラクターを、アナログ、デジタル両方の媒体に展開した展示になってます。
なぜに“おかあ山(さん)“なの?
そう、おかあさんは山のキャラクターなのです。
なぜ山なのかは、会場にあるマンガを読むとわかります。
このマンガは、ヨーロッパ(特にロンドン)で一般的なリソグラフで印刷されたもの。
プリントごっこでおなじみの(若い子は知らないかもね)理想科学工業が提供するプリント機器なのだけど、日本製なのに日本では普及せず、ヨーロッパではスタンダードというのが面白い。(ロンドンで出版された父の書籍もこの印刷方法)
独特の味のある印刷に仕上がって、展示されているZINもキレイです。
ハナヨンと一緒に来日した「おかあ山」のタカヨン
マンガに描かれた時代背景は2001年で、会場に流れている音楽も作品の一部。
プライマルスクリームやケミカルブラザーズなど、当時流行った懐かしいナンバーも彼女のセレクトによるものです。
マンガに出てくる部屋の様子も2001年当時のインテリア。
青いレコード袋のシスコや黒と赤のdisk UNIONも出て来ます。
面白いっすね。
こういう楽しさ、面白さは、彼女の性格そのまま。
いつもナチュラル、陽気で楽しい、そして家庭的。
それがそのまま作品にも出ています。
僕らも、宣伝会議の表紙を描いてもらったり、お世話になってます。
120年前の蔵を移築した屋内に展示された作品
こちらが T-HOUSE New Balanceの外観
このT-HOUSE New Balance、知ってる人も多いでしょう。
カーサブルータスでも特集が組まれた東京の注目スポットです。
展示ももちろんいいですが、この建築を一緒に体験する良い機会。
今回浜町という場所(駅でいうと水天宮も近い)に生まれて初めて行ったんですが、このエリア面白いです。
今アツいんですね。
T-HOUSE New Balanceの周りに面白い建物がたくさんあります。
次回はそれも紹介しますね。
当り前だけど、同じスペースでスニーカーも売ってます。
休日に”おかあ山(さん)”の展示を見ながら、浜町を散歩するのはとてもおススメのコースです。
是非展示に足を運んでみてください。

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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