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未来につながる、スクールブランディング

私の履歴書
Jul 11,2024

また今年も小学校のPTAをやることになった。

今までに、PTAの副会長を4回、続けてではないものの合計で6年間担当した。

今回は委員長という異なるポジションだが、都度PTAの委員会に出席し、学校運営のために活動している。

どこの小学校でも作るであろうオリジナルグッズ
ただ今までと1つだけ違うのは、学校から配られたアンケートで、「何かやってもいい」の項目に自分で〇をつけたことだ。
過去4回の副会長は、どれも人に依頼されて引き受けた。
今回だけは、子供が小学校で過ごす最後の1年ということもあって、自分から何かの役に立てればという思いから、その項目に〇印をつけたのだった。
過去に副会長を引き受けた時は大変だった。
役員になった初年度は何もわからず、情報格差でマウントを取る母親とのやり取りに、本当に疲れてしまったことを想い出す。
会長からパワハラを受けて泣いてしまったお母さんを見て、10年前とはいえ、こんなことが許されるのか?と。
学校運営を巡って母親同士の派閥の争いが起きた年もあったし、ここに書けないことも含め、自分がPTAの役員をやっていた6年間には、本当に色々なことが起きた。
モチーフは、この学校の特徴であるけん玉です。
子供たちの間で起きる問題は、色々な子供がいるので、ある意味仕方がない側面もあるかもしれない。
しかし、問題は大人たちの間で起きて表面化する。
PTAは子供どころではないなと思った。
子供がいない会社でも、こんなことあまり起きないではないか
オドロキの連続だった。
しかし、これがリアルな社会なのだ。
そう強く感じていた。
これが社会の姿なら、自分は社会の中でどうやって生きていくべきなのかを考えさせられた。
運動会の時に販売したタオル
首に巻くマフラーバージョンのタオル
「Big Little Lies」というアメリカのドラマがある。
サブスクで見られるので見て欲しい。
小学校に通う子供の母親たちが主役で、子供が学校で問題を起こしたことをきっかけに、母親たちにもその問題が及んでいくというストーリーだ。
エミー賞8部門、4つのゴールデングローブ賞、主演のニコール・キッドマンとアレクサンダー・スカルスガルドはエミー賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞の3賞すべてで女優賞と男優賞を受賞した。
4回目の副会長をしていた当時、このドラマを見て共感していた。
アメリカでこれほど絶賛されるというのは、小学生の子供を持つ親の気持ちを共感レベルで描き出しているからだろう。
子供を持つ親は1度見て欲しい。
暗いところで光るバッジ
名誉欲がある、目立ちたいという理由でPTAの役員に立候補する人は一定数いて、そういう人に限って問題がある確率は高いのだが、多くの人はそうではない。
子供のために何かしたいという純粋な気持ちでやってくれる人たちだ。
PTAの仕事をすると、間違いなく人との関わりの大切さ、子供のために仕事をすることの重要性を感じることができる。
そして学校運営の難しさ、自分が考える「良識」とは何だろう?と自問することにもなるだろう。
社会と自分との関係を自覚する。
そして社会とはこんなにも多様なのだという事実を知る。
それは、上述したネガティブな要素だけでは決してない。
仲間とともに活動を行うことで得られる、わずかながらの肯定感だ。
消えゆく「一般的な社会通念」「良識」の中にあって、もはやマイノリティな感覚かもしれないが。
めちゃ作るのが大変だった周年誌。表紙の絵は松本画伯
自分が引き受けようと思ったのは、この小学校に通うのが最後の年だから、御奉公したいという気持ちからだ。
18年間も同じ小学校に通ってきて、これが最後、もう二度と学校へ行くこともないだろうというノスタルジーな気持ちも多少ある。
これはPTA活動を経験した人に共通することかもしれない。
自分が今まで何をやってきたのか
6年間、PTAの役員として学校をサポートするため自分に割り当てられた職務を行ってきた。
しかし自分が何によって貢献できるかといえば、実は割り当てられた役員の仕事ではない。
むしろ集団の中でポジションを取ることは苦手な分野だ。
やっぱりクリエイティブしかないのだ。
周年冊子のデザイン、Tシャツ、入館証、タオル、スクールバッグ、そうしたプロダクトの販売を通して、将来の周年行事の資金確保のサポートをしてきた。
特にTシャツは、6年間の役員活動の中で、6種類以上デザインを担当した。
水彩で大きな校舎の絵も描いた。
今回久しぶりにPTAに参加したが、5年前に副会長をやっていた時に発案した「つなぐ、つながる プロジェクト」がまだ継続されていることを知り、オドロキがあった。
5年間、継続して運営されていることに、皆さんの苦労が伺える。
周年行事の予算確保のために、1年を通して様々なオリジナルグッズを販売するプロジェクト。
球と剣が紐でつながっているけん玉。
親と子をつなぐ、学校と子供をつなぐ、そして未来ともつながっているというコンセプトを考案して、デザインに落とし込んだ。
現在と未来をつなぐ、100年先までつなぐ、それを親しみやすく表現した。
全学年でけん玉をする小学校だからこそ「つながる」をテーマに発案したプロジェクトだった。
そのバトンが今もつながっていることが嬉しい。
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2020/02/post-82.html
Tシャツは5年間ずっと売れ続けている。
こちらはイラストバージョン
そして自分もこの小学校で出会った先生と、今もつながっている。
15年前にこの小学校で出会った副校長先生と、この夏一緒にバンドをやっている。
そのバンドで、今年の夏祭りに演奏するのだ。
今は他の小学校の校長先生を務めているが、こうして副校長先生と15年間つながっていることが、そして一緒にバンド演奏ができることが何より嬉しい。
東京都内で、PTAの役員と一緒にバンドやってる校長先生なんているのだろうか?
自分が役員をやっていなければ、先生ともこんなに親しくはならなかった。
演奏する日は、今月21日、もうすぐだ。
ピンクも可愛い
秋に発売したトレーナー
話を戻すが、長い間クリエイティブを生業としてきて自分が、何かで役に立てないだろうか?
そんなことを考えてきた。
小さなことでも、自分がやってきたクリエイティブが誰かの役に立てたら嬉しく思う。
https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2024/06/post-160.html

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
    青山ブックセンター