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ギリシャ カルチャーの旅は素晴らしい2

旅
Oct 16,2024

さて前回は、今年の夏に行ったギリシャの旅を紹介しました。

自分たちがギリシャに行く1ヵ月前くらいに、タキマキがギリシャへの旅を紹介したため、映え狙いのファッション女子たちの間では、いきなりギリシャがトレンド入り。

先々週のイッテQはギリシャのアテネ特集でしたしね。

結構ギリシャに行く日本人は多いのかもしれません。

https://www.dig.co.jp/blog/danwashitsu/2024/10/1-5.html

ミコノスで泊った素晴らしいホテル。エーゲ海を一望
僕たちが行ったときも、トルコ経由でやってきた映えカップルが、アテネのオリンピック競技場で映え写真を撮りまくってました。
話しかけたら、カッパドキア経由でアテネに来たと。
しかし、文化探求の旅というような感じはなくて、中目黒によくいるような20代前半のイマドキなお洒落カップル。
2人は、競技場内で1時間くらい飛び跳ねたり、色んなポーズで映え写真を撮りまくっていたけど、それは置いておいて、20代前半のカップルでアテネに来るなんて、なんだかよい趣味。
自分が20代前半の頃、そんな発想まったくなかったんで、羨ましいなぁと。
そしてたぶん、今の20代でギリシャを旅行先の選択肢に入れる人もほぼいないだろうと。
ほとんどの20代が韓国や台湾にいくところを、あえて2人でギリシャなんて、経済的背景をバックボーンに持った情操教育が透けてみえて、将来が楽しみなカップルでした。
勤めてる商社は夏休みなだったのかな(仮説)
いやぁ、羨ましい限り。
赤土と岩山で火星のような島にラグジュアリーなホテルが点在
さて、ギリシャといえば、もう1つ有名なのが離島ですね。
昔、映画にもなった池田満寿夫の小説「エーゲ海に捧ぐ」でも有名になりました。
この映画には、現代美術家ジェフ・クーンズの元奥様、チチョリーナが出てましたね。
映画のシーンが使われたジュディオングの「魅せられて」も大ヒットしました。
岩山の中に忽然と出現する砂浜ビーチ。近くには有名レストランKiKiがある
エルブジみたいに1年で半年しか営業しないレストランKIKI.すべてが美味しかった
ほとんどの日本人は、アテネに行ったらサントリーニ島を訪れます。
理由はもちろん、「映え」です。
それくらいアイコニックで素敵な場所なのです。
タキマキ効果で、ファッション女子の間では旅行先としてギリシャに注目が集まっていますが、そうした「映え狙い」の人は、サントリーニ島に行った方がいいと思います。
でも僕らは、サントリーニ島を避けて、あえてのミコノス島です。
ギリシャに来る日本人観光客の90%以上がミコノスではなく、サントリーニ島に行く、と地元のタクシーの運転手も言ってました。
ミコノス島までは、アテネから船で2時間くらい。
個人的には、フランス人が集まるシフノス島にも興味ありますね。
島の中心部は、道も建物もすべて白くて美しい街並み
エーゲ海に行くのは生まれて初めてでした。
細い路地がたくさんある真っ白な街並み、ヨーロッパを代表するリゾート地。
ナイトクラブが発達していて、ゲイが集まる場所というのも、イビザとよく似ています。
多国籍な観光客、日本人がまったくいないという点もそっくり。
イタリア人が一番多いかな、あとフランス人も多く来てました。
ギリシャってアクロポリスもそうですが、基本草木の生えない岩山なんですよね。
最初に宿泊したホテルも、金星みたいな草木のない岩山にありました。
まったく建物のない赤土の岩山にラグジュアリーなホテルがポツンとある光景は、非日常の極み。
急斜面にある、舗装されていない片側が崖っぷちの細い道を車で行かなければたどり着けない場所。
そこから見える景色は絶景ですが、ホテルまでの道のりはホントにスリリングでした。
中心部から少し離れた人のいない場所にリゾートがある、というのもイビサにそっくりです。
ミコノス島の象徴である5つの風車
島の旧市街には有名な古い風車があって、白い建築の美しい街並みが続いています。
3階建て以上はない、コンパクトな白い家がずっと続いている。
ラグジュアリーなホテルの次に泊ったのは、そんな街並みに溶け込むように存在する小さなホテルでした。
デザインアワードを獲ったホテルですが、小さくて可愛かった。
午前中、街に人は少ないんですが、夜になるとパーティピープルが街にあふれだして、毎晩朝まで遊んでいるという、それもイビサと同じです。
特に女子(イタリア人?)たちの格好がブリブリで、日本じゃ一人もいないだろという人たちばかりでした。
ヨーロッパ各地の色々な国から人が集まってきている感じです。
そんな中に、周りにほとんどいないアジア人の自分がいる。
異文化の非日常が感じられて楽しかったですね。
昼は人がいないのに、夜はそこら中ブリンバンバンブリンバンバン
最後に。
この旅には、アテネに住む奥さんの30年来の友人に会いに行くという目的がありました。
来年にはドバイに引っ越してしまうので、その前に訪問するという旅。
僕らが結婚する前から会っていた友人なので、僕も良く知っている女性です。
まずは、彼女の旦那さんが総支配人を務めるアテネにあるFour Seasons hotelへ。
ヨーロッパの人たちは、クルーズ船でこのホテルを訪れるとのことで、ホテルは市街地から離れた海沿いにありました。
船で訪れるという響き、、まさにヨーロッパを感じます。
このホテル、一泊85万ですよ!!
ヨーロッパ各地から船で訪れる人は、そうでしょう、そうでしょう、そうじゃないとね。
彼女に聞くと、それ以外に「映え」写真を撮るためだけに、このホテルにやってくる人たちがたくさんいると。
それって、、サントリーニ島と同じ目的??まぁ万国共通なんでしょうねぇ。
でも85万払って「映え」写真を撮るって感覚、自分にはあんまりわからないですけどね。
一泊85万のホテルに船でやってくるヨーロッパ人
アテネの最終日には彼女の自宅を訪問しました。
この住宅、建築雑誌で見るような建築で。
こういう絵に描いたような住宅を訪れるのは初めての体験でした。
アテネの全景が見渡せるロケーション、メゾネットで上階にはプールがある、BBQもできる十分な広さのバルコニー、そこに犬が2匹。
いや、もう、絵に書いたようなライフスタイル。
その家で彼女は、作家として絵を描いているのです。
たまらんですね
前に紹介したドラマ「Big Little Lies」のリアル版のような家です。
ここロス???
CASE STUDY HOUSE #22でピエール・コーニッグが設計したスタール邸のホンモノを見たような感覚でした。(って言っても、ほとんどの人には伝わらないかもですが、、、、)
アテネを一望できる友人宅。スゴすぎるわ、ベランダ広い
帰りに、近くにある会員制のウェルネスの施設にも連れて行ってもらったんですが、ここでも本当の豊かさとは何かを考えさせられました。
何しろ敷地の広さが半端じゃない。
テニスコートが5面くらいあって、レストランがあって、スパがあって、いくつかのフィットネスも、大きな2つのプールもあり、農園、サロン、ブティック、そして宿泊施設もある。
でもメインの用途はホテルではありません。
建物の多くは平屋です。
敷地内では様々な植物も育てられていて、ワークショップの施設もある。
これらの建物のインテリアは、数々のアマンシリーズを手掛けたエド・タートルのスタイルも感じさせる、いわゆるステレオタイプのラグジュアリーな華美さではなく、シンプルでシックな佇まい。
ゆったりと流れる時間を感じさせる空間でした。
本当のラグジュアリーとは何か?を私たちに突き付けてきます。
日本にはこんな施設はどこにもありません。
二期倶楽部?星のや?ヴェラビスタ?全然規模が違います。
箱根にも、那須にも、沖縄にもない
それにホテルではないので用途が違う。
ウェルネスという、1つのコンセプトで統一された施設でした。
1つの考え方、人間の在り方を提示している施設でした。
会員制のウェルネスの施設は学ぶところがたくさんあった
いやぁギリシャ、色々な学びや刺激がありました。
経済破綻した国という側面はあるかもしれないけれど、今らしいアプローチやデザイン戦略がありました。
感じるのは、表面的な小手先のデザインではなく、より本質的な、一貫したストーリーのあるデザインでないと今後受け入れられなくなっていくだろうということ。
日本ではまだまだわかりやすい、消費のアイコンとしてのデザインがあふれているけれど、それは行き着くところ限界があるようにも思います。
言ってみたら、マテリアルや欲望ではなく、一貫した生き方に共鳴するようにデザインがあるというか、
そんな芯の通ったライフスタイルを送っているギリシャ人は、羨ましいなと感じた旅でもありました。
予約不可なんで、2時間待ったけど、KiKiの料理は美味しかったなー

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松本知彦 Tomohiko Matsumoto

東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。

  • 趣味:考えること
  • 特技:ドラム(最近叩いていない)
  • 好きなもの:ドリトス、ドリフターズ、
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