東京新宿生まれ。
漫画家の父親を持ち、幼い頃より絵だけは抜群に上手かったが、
働く母の姿を見て葛藤し、美術を捨てて一般の道に進むことを決意。
しかし高校で出逢った美術の先生に熱心に説得され、再び芸術の道に。
その後、美術大学を卒業するも一般の上場企業に就職。
10年勤務ののち、またしてもクリエイティブを目指して退社独立、現在に至る。
ナポリ発最高級シャツブランドのブランディング
Dec 25,2024
年も押し迫ってきましたね。師走です。
今回は、この特別な季節にふさわしい特別なお話を紹介したいと思います。
この談話室松本、開始してから10年以上経つんです。
自分でもびっくりです。。。
会社のスタッフに全員でスタッフブログを書こう!と提案した際、あまり賛同を得られなかったために、じゃまず自分が手本を見せるからという主旨で始めたブログがもう10年とは、、、
本当に時のたつのは早いものです。
ナポリの最高級シャツブランドの東京本店ブランディング
別に会社の営業活動として始めたわけではなく、時にデザイン、時にファッション、時にインテリア、その都度感じたこと、自分の書きたいことだけをつらつらと書いてきました。
そこに、自分や会社のことをこのように思って欲しいからという視点はありません。
役に立たないこともたくさん書いてしまってますが、面白いもので、自分が書きたいことを好き勝手に書いていると、それに賛同してくださる方もいらっしゃるのです。
時々このブログがきっかけで、仕事につながることがあります。
そしてうちの会社へ採用面接に来る人は、ブログについて話される人もいて、そういう時に書くことはまったくの無駄ではないのだなぁと勝手に感じたりしています。
書いているときは、書くのにこんなに膨大な時間を使ってホント意味あんのか?と感じることも多々あるのですが(本当に多々w)、良かったなあと思える瞬間もあるのです。
そこに、自分や会社のことをこのように思って欲しいからという視点はありません。
役に立たないこともたくさん書いてしまってますが、面白いもので、自分が書きたいことを好き勝手に書いていると、それに賛同してくださる方もいらっしゃるのです。
時々このブログがきっかけで、仕事につながることがあります。
そしてうちの会社へ採用面接に来る人は、ブログについて話される人もいて、そういう時に書くことはまったくの無駄ではないのだなぁと勝手に感じたりしています。
書いているときは、書くのにこんなに膨大な時間を使ってホント意味あんのか?と感じることも多々あるのですが(本当に多々w)、良かったなあと思える瞬間もあるのです。
ジャケット、シャツ、ネクタイ、そしてオーダーのスペースがある
いつものように仕事の出会いは突然の問い合わせから。
ある日、アパレルの小売りをやっている会社から問い合わせがありました。
お聞きすると、このブログを読んで松本のこと、会社のことを知り、仕事の依頼をしたくて連絡されたとのことで、こんな素敵なことってあります?
本当に感謝しかありませんし、嬉しいことこの上ないです。
10年以上ブログを書いて来て、最上段の喜びですね。
ある日、アパレルの小売りをやっている会社から問い合わせがありました。
お聞きすると、このブログを読んで松本のこと、会社のことを知り、仕事の依頼をしたくて連絡されたとのことで、こんな素敵なことってあります?
本当に感謝しかありませんし、嬉しいことこの上ないです。
10年以上ブログを書いて来て、最上段の喜びですね。
以前購入した自分のシャツを鉛筆で松本が描いたストアアイコン
連絡をいただいた会社は、ナポリの高級シャツを扱う企業でした。
LUIGI BORRELLI (ルイジ・ボレッリ)は、1957年にイタリア・ナポリで創業された老舗高級シャツブランド。
あー、、そのシャツの名前。。
洒落モノなら、特に男子の洒落モノなら必ず知っているはず。
JAMES BONDが着ている英国製ターンブル&アッサーがシャツのロールスロイスだとすれば、ボレリのシャツは何て言えばいいのかな。
イタリアハンドメイドの最高峰でしょうか。
同じくイタリアの最高級シャツとして知られる北のFRAYとはまた違った、南イタリア独特の丸みを帯びた包み込まれるような着心地があります。
このシャツには個人的な思い入れも。
ボレリと同じくナポリのブランド、泣く子も黙る、いわば南イタリアのファッションの教科書のような服、アットリーニのスーツを以前オーダーしたことがあるんですが、そのスーツに合わせるなら、同じくナポリのボレリだろという、いわば暗黙のルールに沿って購入した思い出のシャツです。
そしてシャツだけでなく、このブランドのハイクオリティなネクタイ、特に冬のカシミアのネクタイが大好きでした。
LUIGI BORRELLI (ルイジ・ボレッリ)は、1957年にイタリア・ナポリで創業された老舗高級シャツブランド。
あー、、そのシャツの名前。。
洒落モノなら、特に男子の洒落モノなら必ず知っているはず。
JAMES BONDが着ている英国製ターンブル&アッサーがシャツのロールスロイスだとすれば、ボレリのシャツは何て言えばいいのかな。
イタリアハンドメイドの最高峰でしょうか。
同じくイタリアの最高級シャツとして知られる北のFRAYとはまた違った、南イタリア独特の丸みを帯びた包み込まれるような着心地があります。
このシャツには個人的な思い入れも。
ボレリと同じくナポリのブランド、泣く子も黙る、いわば南イタリアのファッションの教科書のような服、アットリーニのスーツを以前オーダーしたことがあるんですが、そのスーツに合わせるなら、同じくナポリのボレリだろという、いわば暗黙のルールに沿って購入した思い出のシャツです。
そしてシャツだけでなく、このブランドのハイクオリティなネクタイ、特に冬のカシミアのネクタイが大好きでした。
シャツの什器は、金属のフレームを使用してオリジナルで製作したもの
そのナポリのサルトの魅力を東京・青山から発信するコンセプトストア「LUIGI BORRELLI TOKYO」の空間設計、リニューアルブランディングを依頼したいという話をお聞きして、本当に驚きました。
僕は以前、ボレリのことをこの談話室に書いていて、それを見たきっかけで連絡してくださったとのこと。
確かにシャツやネクタイだけでなく、ボレリの水着やパジャマの快適さについても、このブログで紹介したことがありました。
それを見ていただいていたんですね。
しかし、しかしです。
数千万円を投資する案件を、ブログを読んで共感いただいたとはいえ、1度も会ったことのない人へ発注するなんて、信用がなければ到底難しい話だと思うんです。
でも信用していただけた。
そんな力が談話室にあったのかと本当に嬉しいご連絡でした。
でもそうであるからこそ、その気持ちに応えたい、その一心でやらせていただいたのがこのプロジェクトです。
僕は以前、ボレリのことをこの談話室に書いていて、それを見たきっかけで連絡してくださったとのこと。
確かにシャツやネクタイだけでなく、ボレリの水着やパジャマの快適さについても、このブログで紹介したことがありました。
それを見ていただいていたんですね。
しかし、しかしです。
数千万円を投資する案件を、ブログを読んで共感いただいたとはいえ、1度も会ったことのない人へ発注するなんて、信用がなければ到底難しい話だと思うんです。
でも信用していただけた。
そんな力が談話室にあったのかと本当に嬉しいご連絡でした。
でもそうであるからこそ、その気持ちに応えたい、その一心でやらせていただいたのがこのプロジェクトです。
2つの都市、クラシックとモダンの対比をコンセプトとして考案
まず全体プランとして”CONTRAST”というコンセプトを考案しました。
モダンとクラシック、東京とナポリ、2つの異なる要素の対比をテーマにトータルコンセプトとしての世界観を創る。
90年代にメンズファッションを席巻した「イタリアンクラシコ」という言葉があるんですが、これは1986年にフィレンツェで結成されたクラシコ・イタリア協会に加盟するサルト(仕立屋)たちが生み出した、主に身体にぴったりフィットするスーツスタイルのことを指します。
イタリア語のクラシコとは、英語にするとクラシック=「古典的」という意味ですが、イタリアでは「最高級の」「模範的な」「根本の」というような意味合いがあります。
イタリアンクラシコとは、イタリア語では「イタリアの最高水準のものづくり」という意味があるのです。
洋服にもそれを表す特徴的なディテールがあるのですが、それを話すと長くなるので割愛・・・w
街を歩いていると、今でもイタリアンクラシコを愛するナイスミドルなオヤジたちを見かけます。
つか、お洒落に気を遣うナイスミドルなオヤジたちのほとんどは、今でもイタリアンクラシコなのです。
なぜオヤジたちのハートを今でも掴んでいるのか?それはロンドンのサヴィルロウから海を渡り、南イタリアで変容したスーツ、その手縫いのディテール、手仕事のロマンがオヤジを惹きつけるのではないかと思います。
しかし、、
お金を持っているオヤジ=自己主張が強め=身だしなみに気を使う=イタリアンクラシコに行き着く、多くのオヤジがこの図式に当てはまっているのも現実で、お洒落と言うより経済価値に近い側面も(偏見もありますがw)。
それを見ていて個人的にはいつも感じるところがありました。
一世を風靡したイタリアンクラシコのブームからは、既に30年も経っているんです。
世の中が変わったように、人々の認識も変わり、イタリアンクラシコに対する感じ方も変容していると感じていました。
時代にあわせてラグジュアリーの概念を再定義すべきでは。
90年代そのままではなく、そこに新しい解釈を加えて、イタリアンクラシコの良さを現代に再提示できないだろうか?ということを考えていました。
若い子が、ある程度きちんとした場所に行くときに着ていくカジュアルアイテム、スーツではなく、デニムに合わせて着る上質なシャツとして。ボタンダウンのような普段使いの要素も持った普通で上質なシャツ。
デニムのリーバイスのように、上質なデイリーシャツと言えばという定番の立ち位置になれたらなと。
スタイルに縛られない、もっと自由で現代的なトーキョーイタリアンクラシコへ。
モダンとクラシック、東京とナポリ、2つの異なる要素の対比をテーマにトータルコンセプトとしての世界観を創る。
90年代にメンズファッションを席巻した「イタリアンクラシコ」という言葉があるんですが、これは1986年にフィレンツェで結成されたクラシコ・イタリア協会に加盟するサルト(仕立屋)たちが生み出した、主に身体にぴったりフィットするスーツスタイルのことを指します。
イタリア語のクラシコとは、英語にするとクラシック=「古典的」という意味ですが、イタリアでは「最高級の」「模範的な」「根本の」というような意味合いがあります。
イタリアンクラシコとは、イタリア語では「イタリアの最高水準のものづくり」という意味があるのです。
洋服にもそれを表す特徴的なディテールがあるのですが、それを話すと長くなるので割愛・・・w
街を歩いていると、今でもイタリアンクラシコを愛するナイスミドルなオヤジたちを見かけます。
つか、お洒落に気を遣うナイスミドルなオヤジたちのほとんどは、今でもイタリアンクラシコなのです。
なぜオヤジたちのハートを今でも掴んでいるのか?それはロンドンのサヴィルロウから海を渡り、南イタリアで変容したスーツ、その手縫いのディテール、手仕事のロマンがオヤジを惹きつけるのではないかと思います。
しかし、、
お金を持っているオヤジ=自己主張が強め=身だしなみに気を使う=イタリアンクラシコに行き着く、多くのオヤジがこの図式に当てはまっているのも現実で、お洒落と言うより経済価値に近い側面も(偏見もありますがw)。
それを見ていて個人的にはいつも感じるところがありました。
一世を風靡したイタリアンクラシコのブームからは、既に30年も経っているんです。
世の中が変わったように、人々の認識も変わり、イタリアンクラシコに対する感じ方も変容していると感じていました。
時代にあわせてラグジュアリーの概念を再定義すべきでは。
90年代そのままではなく、そこに新しい解釈を加えて、イタリアンクラシコの良さを現代に再提示できないだろうか?ということを考えていました。
若い子が、ある程度きちんとした場所に行くときに着ていくカジュアルアイテム、スーツではなく、デニムに合わせて着る上質なシャツとして。ボタンダウンのような普段使いの要素も持った普通で上質なシャツ。
デニムのリーバイスのように、上質なデイリーシャツと言えばという定番の立ち位置になれたらなと。
スタイルに縛られない、もっと自由で現代的なトーキョーイタリアンクラシコへ。
東京とナポリ、2つのコントラストは平面プランでも共通して表現
CONTRASTというコンセプトで伝えたいことは、クラシックとモダンの「ナイスミスマッチ」です。
オンとオフ、ドレス&カジュアル、メンズ&レディス、ラグジュアリー&ストリートなど、正反対のトレンド要素がボーダーレスに混在する現在の東京らしさをCONTRASTというワードで表現。
変容するラグジュアリーに呼応して、今らしい新しい概念を模索したい。
90年代当時クラシコ系の店は、ほとんどが画一的なインテリアだったし、そのスタイルは派閥のサインのようなものでした。
そこから抜け出した新しいスタイルの提示が必要だと思っていました。
店舗の内装は、CONTRASTのコンセプトに沿って異質な素材の組み合わせで構成しています。
詳細設計は服部一級建築士事務所、施工は船場にお願いしました。
店の奥には、オーダーが可能なサロンも設けています。
考案したコンセプトに沿って、店舗設計だけでなく家具選定、ストアロゴ、各種ショップツール、名刺なども、トータルに制作を担当しました。
ショップアイコンとなるイラストも描かせていただき、各種ファッション誌にも同時に広告展開しました。
ファッション雑誌だけでなく、東京カレンダーなどにも。
オンとオフ、ドレス&カジュアル、メンズ&レディス、ラグジュアリー&ストリートなど、正反対のトレンド要素がボーダーレスに混在する現在の東京らしさをCONTRASTというワードで表現。
変容するラグジュアリーに呼応して、今らしい新しい概念を模索したい。
90年代当時クラシコ系の店は、ほとんどが画一的なインテリアだったし、そのスタイルは派閥のサインのようなものでした。
そこから抜け出した新しいスタイルの提示が必要だと思っていました。
店舗の内装は、CONTRASTのコンセプトに沿って異質な素材の組み合わせで構成しています。
詳細設計は服部一級建築士事務所、施工は船場にお願いしました。
店の奥には、オーダーが可能なサロンも設けています。
考案したコンセプトに沿って、店舗設計だけでなく家具選定、ストアロゴ、各種ショップツール、名刺なども、トータルに制作を担当しました。
ショップアイコンとなるイラストも描かせていただき、各種ファッション誌にも同時に広告展開しました。
ファッション雑誌だけでなく、東京カレンダーなどにも。
手前は現代的な東京を表現したエリア。アイキャッチになるライトもモダンに
奥はクラシックなナポリのエリア。青緑のタイルはナポリの海をイメージ
奥にあるオーダールームでは、ナポリで作られるシャツのオーダーが可能。
空間設計であっても、クリエイティブの思考プロセスは、他のWebサイト構築やツールのアートディレクションと何も変わらない。
必要なことは、統合的なクリエイティブスキルだと思います。
また経営に近い立場で、デザインの視点から提言を行えること。
最後のクオリティは、思考の量で決まる。
1つのストーリーで、すべての体験が語れること、空間構成やデザインにすべて説明可能な理由があることが重要だということを再認識したプロジェクトでした。
いつも感じることですが、
視覚的なカタチのデザインではなく、
そのカタチに至るまでの思考のデザイン、その深さこそが、
想いをカタチにする重要な行為だと思います。
必要なことは、統合的なクリエイティブスキルだと思います。
また経営に近い立場で、デザインの視点から提言を行えること。
最後のクオリティは、思考の量で決まる。
1つのストーリーで、すべての体験が語れること、空間構成やデザインにすべて説明可能な理由があることが重要だということを再認識したプロジェクトでした。
いつも感じることですが、
視覚的なカタチのデザインではなく、
そのカタチに至るまでの思考のデザイン、その深さこそが、
想いをカタチにする重要な行為だと思います。
グラフィックと空間体験も一致するようにコントロールしました
最後に、談話室にある駄文の中から、想いや志を読み取っていただき、大切な仕事を発注してくださったクライアントの方に心から感謝します。
新しいシャツに袖を通す時の何とも言えないあの感覚、他では味わえないそんな感覚を呼び起こすお店になったらなぁと思っています。
新しいけど、前からそこにあるようなお店。
ここを起点に御社のビジネスが成長していくことを願っています。
ありがとうございました。
新しいシャツに袖を通す時の何とも言えないあの感覚、他では味わえないそんな感覚を呼び起こすお店になったらなぁと思っています。
新しいけど、前からそこにあるようなお店。
ここを起点に御社のビジネスが成長していくことを願っています。
ありがとうございました。